◆金道泰（編）『徐載弼博士自叙伝』首善社（漢城）、１９４８年（日本の昭和２３年）・初版本、四六判、全２６９頁、一冊．◆李氏朝鮮末期の朝鮮の官僚で、明治時代の日本に留学して慶応義塾・陸軍戸山学校に学び、金玉均らと共に開化派官僚のクーデタ「甲清政変」を起こして失敗し、日本、次いでアメリカに亡命、フィラデルフィア大学で解剖学などを教授する一方、大日本帝国からの独立運動を行い、朝鮮独立後の昭和２２年に帰国して大統領候補に推されたものの、李承晩と対立して再びアメリカに戻り、１９５１年に死去する徐載弼の伝記．南朝鮮・韓国にあって左派と右派の政治対立の緩和を目指し、大統領候補に擬せられていた１９４８年にソウルで刊行された韓語・漢字交じり標記の朝鮮本．徐載弼の生涯を通して、李氏朝鮮時代末期から植民地時代、独立初期の朝鮮半島の歴史をたどる貴重な文献